「ブラームスの1番を聴く」9・・・・初期の録音 メンゲルベルク
「ウイレム・メンゲルベルク」(1871 - 1951)」
オランダのユトレヒト生まれ、オランダの名門オーケストラ、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(当時はアムステルダム・コンセルトヘボウ管)を世界屈指の名オーケストラに育て上げた巨匠。

メンゲルベルクのブラームスの交響曲録音は、第2番と第4番は独テレフンケン、第3番はコロンビアへの録音がありますが第1番のスタジオ録音はコロンビアへの第3楽章のみ。

第1番は他に2種のライヴ録音があります。

・1930年   アムステルダム・コンセルトヘボウ管 スタジオ録音(第3楽章のみ)
・1940年   アムステルダム・コンセルトヘボウ管 ライヴ録音
・1943年   アムステルダム・コンセルトヘボウ管 ライヴ録音


・アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
(1930年5月31日 アムステルダム コンセルトヘボウ スタジオ録音)

英コロンビアへの第3楽章のみのスタジオ録音。リピートあり。

この前日に収録した「大学祝典序曲」がSP3面分の録音となったために、残りの第4面の穴埋めとして録音されました。

速めの快適なテンポ運びの中に感じられるロマンティックな趣。

そっと柔らかなクラリネットの気品のある甘い響きからして良い雰囲気です。

71小節からの中間部では、木管楽器群の8分音符をスタッカート気味にしてタタタターンと運命の動機を強調。
リピートあとの109小節の弦楽器の8分音符の下降する動きに強いアクセント。

最後はゆっくりとテンポを落として終止。

5分弱の短い時間の中にメンゲルベルクの至芸のエッセンスが集約されています。

今回聴いたのはナクソスヒストリカルの復刻CD。丁寧な音づくりの良い音でした。
(2015.12.28)