| 「サー・ジョン・プリッチャード(1921〜1989)」 ロンドン生まれ。グライドボーン音楽祭でフリッツ・ブッシュのアシスタントを経て、ロイヤルリヴァプールフィル、ロンドンフィル、BBC響の音楽監督や首席指揮者を歴任するかたわら、グライドボーン音楽祭、ブリュッセルのモネ劇場、サンフランシスコ歌劇場の音楽監督とケルン歌劇場の首席指揮者を務めました。 プリッチャードは、戦後に登場した世代ではイギリスで最も愛されていた指揮者といわれています。 1969年のロンドンフィルの来日公演にはハイティンクと同行。翌1970年には、急逝したバルビローリの代役としてニューフィルハーモニア管とともに再来日しシベリウスの交響曲第2番を演奏しています。 ・ ロンドンフィルハーモニー管弦楽団 (1960年代 スタジオ録音) 1969年発売のイギリスPyeから出ていた録音。おそらくプリッチャードがロンドンフィルの音楽監督だった時期(1962〜1966)の録音だと思います。 中庸のテンポと音量、軽く明るい響き中で旋律が流れる端正でまとまりの良い演奏でした。 常に沈着冷静で無理をせず譜面に忠実。見通しの良いアンサンブルで作品自体に全てを語らせます。 第一楽章最後の345小節のテヌートでの大ブレーキ、第二楽章77小節と第四楽章227小節でホルンを強調させ音楽に緊張感を付与する場面や、第四楽章の終盤250小節付近からの弦楽器の主題の歌わせ方のうまさは、長年オペラの現場で培われた職人業を感じさせました。 なかでも、のびやかなフィナーレの最後の盛り上げ方はさすがに老練。この部分ではコリンズ盤と同様のティンパニの大きな改変があります。 この曲のスタンダードと言ってもよい演奏ですが、指揮者の主張はほとんど感じられませんでした。 今回聴いたのはPyeから出ていたイギリスの外盤LPで、1969年発売の表示があります。エレガントですっきりしたロンドンフィルの音を捉えた無難なステレオ録音。 (2009.07.31) |