| ・ ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団 (1962年10月1、9日 ロンドン ウォルサムストウ タウンホール スタジオ録音) リーダーズ・ダイジェスト・アソシエーション社が、クラブ組織を通じて販売するために制作した一連の録音中の一枚。 これらは、プロデユーサーがRCAのチャールズ・ゲルハルト、録音エンジニアは英DECCAのケネス・ウイルキンソンという豪華な組み合わせで録音され、レイヴォビッツのベートーヴェン交響曲全集やフリッツ・ライナーのブラームス、ミュンシュのビゼーやチャイコフスキーという名盤が生み出されています。 艶のあるリッチなオケの響きを生かし劇的な要素を前面に打ち出した壮大なシベリウス。 スタジオ録音でありながら、ライヴのような即興的な緊張感の感じられる演奏でした。 ハレ管の時のような、細部までバルビローリの解釈を徹底させた形跡は感じられず。巨匠が客演のオケを振って一気に仕上げた印象です。 じっくり遅く始まる第一楽章は、音を割ったホルンのここぞの一発が刺激的。ところどころで小噴火を見せながら劇的に音楽は進行。249小節の大きな山場で聴かせるブラスの厚く壮大な響きも印象的。300小節からの急加速はこの演奏のみの解釈です。 第二楽章163小節のMolt largamenteは多少重く感じました。174小節4拍目の極端なフォルテピアノは、ハレ管盤では半拍前のトランペットの強調となっています。 188小節のヴァイオリンの旋律には4拍めにアクセント付加。199小節から急加速。204小節の3,4拍めはバルビロ−リのほかの演奏はスタッカート気味で短く来ていましたがこの録音では通常の形。 第三楽章の速いパッセージを聴くとハレ管よりもオケの技術に余裕あるのがわかります。フィナーレへのたたみこむような突入時にはバルビローリの足踏みの音も聞こえました。 第四楽章へも太く滑らかに移行。壮麗な響きで煌びやかに盛り上がり、終結部の a tempoでもバルビローリの他の演奏のように遅くせず、最後の三小節和音も管楽器の響きは弦楽器とほぼ同じ長さとしていました。 この演奏とはコリンズ盤に次ぐ長い付き合いでして、長い間この曲の最も好きな演奏として何度も繰り返し聴いた懐かしい演奏です。 ただ、今回あらためて聴き直してみると、輝かしくも力の入った情熱な部分には確かに惹かれはするものの、これはあくまでもこの曲の一面に過ぎず、オケの豊かな響きに頼りすぎた印象を持ちました。 今回聴いたのはRCAが発売していた国内盤LPです。録音は非常に優秀で、艶やかで豊かな響きが楽しめました。 (2009.07.14) |