| 「パーヴォ・ベルグルンド(1929〜)」 ヘルシンキ生まれ。11歳からヴァイオリンを始め、シベリウス音楽アカデミーを出た後はフィンランド放送響のヴァオリン奏者。フィンランド放送響の副指揮者を経て、1962年から首席指揮者となり1972年までその地位にありました。 1965年、イギリスで開かれたシベリウス生誕百年記念祭ではボーンマス響を振ってイギリスデビュー。ボーンマス響と「クレルヴォ交響曲」の世界初録音もおこなっています。 ボーンマス響、ヘルシンキフィル、ストックホルムフィルなどの首席指揮者や音楽監督を歴任。 ベルグルンドはシベリウスの世界的な権威として知られ、楽曲の校訂者もおこなっています。交響曲は、ボーンマス響、ヘルシンキフィル、ヨーロッパ室内管による3種の全集録音があり、第2番はロンドンフィルの自主制作盤のライヴも出ています。 ・1976年 ボーンマス響 スタジオ録音 ・1986年 ヘルシンキフィル スタジオ録音 ・1997年 ヨーロッパ室内管 スタジオ録音 ・2005年 ロンドンフィル ライヴ録音 ・ ボーンマス交響楽団 (1976年11月 ロンドン アヴィー・ロードスタジオ スタジオ録音) ベルグルンド一回めのシベリウス交響曲全集中の一枚。 確信に満ちた音楽運びと、クールな響きの中に熱い意思の力の感じられる素晴らしい名演でした。青白さを感じさせるような透明な響きを持つボーンマス響はシベリウスとの相性が良く、着実に音化した音の塊ひとつひとつをベルグルンドはバランス良く組み上げていきます。 第一楽章は落ち着いた遅いテンポで開始。牧歌的なのどかさの中で、スキップするかのようなオーボエが特徴的。時々立ち止ってから後を振り返る静かな音楽運びを見せつつ74小節のpoco Allegrettoから自然な加速。 シベリウス独特の粘るような息の長いクレシェンドも効果的に聞かせ、169小節のtranquilloから一端テンポを落とし。210小節のpoco largamenteのせつない歌から雄大に盛り上がるあたりのテンポ運びなどは実に手馴れたものです。 第二楽章では、下で支えるコントラバスの単純な刻みの音符がボディブローのように着実に効いてきた後に167小節のブラスが大爆発。175小節ティンパニの強打のキメも強烈なアクセントとなっています。嵐が過ぎ去りじっくりとした歌への移行する184小節から4小節間のテンポの落とし方も実に絶妙。さらに229小節からの2小節間の弦楽器の速いパッセージが第3楽章の予感を示すことを、この演奏を聴いて初めて気がつきました。 第三楽章では巌のようなティンパニの音が楽章全体を引き締め、156小節のオーボエの旋律の減速は、続くTempo primoとの対比を明確しています。222小節のホルンの上昇音の繰り返しはテヌートとし、感動的に高揚しつつフィナーレへ突入。 第四楽章も腰の座った太い音楽。162小節から自然に加速し、終盤に向かってオケは楽器を増やしながら徐々に加熱、ティンパニの音型も改変しつつ壮大なクライマックスを築き上げていました。 各所で譜面の改変があり、第ニ楽章の153小節と214小節のコントラバスにはチューバを重ね、第四楽章終盤の359小節と365小節のティンパニのD−Dの音をG―Dに改変し、劇的な効果を上げていました。 今回聴いたのはEMIの国内盤LPです。白夜的な青白い音色が北欧的な雰囲気をよく出していました。 (2009.05.30) |